中小企業診断士の更新手続き(マイナポータル)|事前準備とつまずきやすい点
令和8年6月から、中小企業診断士の登録に関する各種申請は、原則としてマイナポータルからのオンライン手続きになりました。これから更新時期を迎える方に向けて、手続きの全体像と事前に準備しておくもの、操作の途中でつまずきやすい点を整理しました。
※本記事は、中小企業庁「中小企業診断士におけるマイナポータル申請利用マニュアル」(令和8年8月 1.03版)と2026年10月時点の画面をもとにしています。制度や画面は変更されることがあるため、実際の手続きでは最新の公式情報をご確認ください。
手続きは2段階に分かれています
マイナポータルでは、いきなり更新登録申請を行うことはできません。これまで紙で登録・更新を行ってきた診断士は、まず「初期設定申請」を行い、既存の資格情報とマイナンバーを紐付ける必要があります。
| 段階 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 初期設定申請 | 既存の資格情報とマイナンバーを紐付ける |
| 2 | 更新登録申請 | 初期設定申請の審査が終わった後に行う、本来の更新手続き |
初期設定申請の審査には2〜3営業日かかります。中小企業庁は、有効期限月の2か月前までに手続きを始めることを推奨しています。期限が近づいてからでは間に合わないおそれがあるため、早めの着手をおすすめします。
事前に準備するもの
マイナンバーカードと端末
手続きはPC・タブレット・スマートフォンのいずれでも行えます。PCやタブレットの場合は、マイナンバーカードの読み取りにカードリーダーか、マイナポータルアプリを入れたスマートフォンが必要です。
マイナンバーカードのパスワード(3種類)
| 種類 | 桁数 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 利用者証明用電子証明書 | 数字4桁 | ログイン |
| 券面事項入力補助用 | 数字4桁 | 券面情報の読み取り |
| 署名用電子証明書 | 英大文字と数字の6〜16桁 | 申請時の電子署名 |
申請の最後に電子署名を行うため、署名用電子証明書のパスワードが必要です。署名用電子証明書を発行していない場合は、住民登録のある市区町村の窓口にマイナンバーカードを持参して発行を受けてください。予約の要否は自治体によって異なります。
更新要件を証明する書類(PDF)
- 理論政策更新研修の修了証明書(様式第15号)5回分
- 診断助言業務等の実績証明書(様式第18号・第19号など)30日分
添付書類の原本は、手続きが完了するまで保管しておきます。
マイナポータル側の事前設定
マイナポータルの「申請者入力補助情報」に、電話番号、氏名(かな・カナ)、郵便番号を登録しておくと、申請画面に自動で転記されます。また、マイナポータルからのお知らせをメールで受け取る設定にしておくことをおすすめします。設定しない場合、不備の連絡などがマイナポータル内でしか確認できず、見落とすおそれがあります。
添付するPDFの要件
添付書類の形式は、手続きのなかでも特に不備が起きやすい部分です。マニュアルでは次のように定められています。
- PDF形式で、合計9MB以下であること
- PDFにパスワードを設定しないこと
- 添付欄1つにつき1ファイルのため、同じ様式の書類が複数枚ある場合は1つのPDFに統合すること
- クラウド上のファイルを直接指定するとエラーになることがあるため、端末本体に保存してから添付すること
- Adobe Acrobat系以外のソフトで出力したPDFは、正しく処理されない可能性があること(マニュアルに失敗事例の記載があります)
理論政策更新研修の証明書5枚、実務の証明書を、それぞれ様式ごとに1つのPDFにまとめておく必要があります。複数のPDFを結合する場合は、マニュアルでも案内されているAdobe Acrobat オンラインのPDF結合ツールが利用できます。
紙の証明書をPDFにする場合は、スマートフォン標準の書類スキャン機能を使うと、傾きや影が補正された読みやすいPDFを作れます。同じ様式のページを続けてスキャンすれば、最初から1つのPDFとして保存できます。
- iPhone:iPhoneやiPadで書類をスキャンする(Apple公式)
- Android:Googleドライブでドキュメントをスキャンする(Google公式)(ドライブに保存されるため、端末本体にダウンロードしてから添付してください)
- 手元の画像ファイルをPDFにする:Adobe Acrobat オンラインの画像→PDF変換
オンラインツールはファイルをアップロードして変換する仕組みです。実績証明書には支援先の企業名などが記載されているため、取り扱いにはご注意ください。
つまずきやすい点① スマホ用電子証明書では手続きを開始できない
マイナポータルアプリでログインする際、「Face IDで認証」などの生体認証ボタンが大きく表示されます。これは「スマホ用電子証明書」(マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載するサービス)による認証です。
国家資格関連の手続きは、このスマホ用電子証明書に対応していません。この方法でログインすると、中小企業診断士のページに注意メッセージが表示され、「手続きをはじめる」ボタンが押せない状態になります。

この場合は一度ログアウトし、実物のマイナンバーカードを読み取る方法でログインし直します。マイナポータルアプリの認証画面で、生体認証のボタンではなく、その下にある「ほかの方法を選ぶ」を選択し、「実物のマイナンバーカード」を選んでください。


PCで手続きする場合の流れは次のとおりです。
- PCでマイナポータルを開き、スマートフォンで二次元コードを読み取ってログインする方法を選ぶ
- スマートフォンのマイナポータルアプリで二次元コードを読み取る
- 「ほかの方法を選ぶ」→「実物のマイナンバーカード」を選び、4桁のパスワードを入力してカードを読み取る
- スマートフォンに表示された6桁のコードをPCに入力し、もう一度カードを読み取る
なお、手続きの途中でPC画面に二次元コードが表示された場合は、スマートフォンの標準カメラではなく、マイナポータルアプリの読み取り機能を使ってください。

つまずきやすい点② 「資格管理団体へ登録しているか」の選択
初期設定申請を始めると、最初に「資格管理団体へ登録している/登録していない」の選択が表示されます。都道府県の中小企業診断協会への加入状況を問われているように読めますが、そうではありません。ここでいう資格管理団体とは、資格の登録を取り扱う機関のことです。
すでに中小企業診断士として登録されている方は、協会への加入・未加入にかかわらず「資格管理団体へ登録している」を選びます。マニュアルにも同じ趣旨の注意書きがあります。

「登録していない」を選ぶと、これから新たに登録する方向けの新規登録申請に進み、試験合格証書などの添付を求められます。更新の手続きにはつながらないため、その場合は戻って選び直してください。
初期設定申請の流れ
- マイページの「証明書(すべてを見る)」から「国家資格」を開く
- 「資格を追加する」を選び、一覧から「中小企業診断士」を選ぶ
- 「手続きをはじめる」を押し、「資格管理団体へ登録している」を選ぶ
- 個人情報を確認・入力する(申請者入力補助情報を登録していれば自動で転記されます)
- 診断士の登録番号を入力する(登録番号が6桁の方は、先頭に「0」を付けて7桁で入力します(例:123456 → 0123456))
- 同意事項を確認し、カードを読み取って電子署名する(署名用電子証明書のパスワードを使います)
申請が完了すると、マイナポータルの「やること」画面に「処理中」と表示されます。2〜3営業日の審査が終わると、更新登録申請ができるようになります。

更新登録申請の流れと注意点
入口は「資格者証を再発行する」
中小企業診断士のページには「更新する」という項目はありません。「資格者証を再発行する」を選び、その中の「更新登録申請」から、通常の更新を選択します。
なお、「再登録申請」は有効期限が切れた方が満了から1年以内に再登録するための手続き、休止中の方の復帰は「その他の申請をする」から行う再開申請です。通常の更新とは入口が異なります。
入力時の注意点
- 申請年月日は申請する当日の日付です。入力を中断すると内容が一時保存されるため、後日再開した場合は日付を確認してください。
- 理論政策更新研修の受講日は、画面上は[任意]と表示されますが、5つすべて入力が必要です。日付の古い順に、YYYYMMDDの8桁で入力します(例:2026年4月1日 → 20260401)。
- 実務に従事した期間として、最初と最後の日付を入力します。登録の有効期間内に行った実務であることが前提です。
- 添付する証明書の様式(様式第15号、様式第18号・第19号など)にチェックを入れます。
- 通知を受け取る設定は必ずオンにしてください。不備の連絡を見落とすと、期限に間に合わなくなるおそれがあります。
- 入力に時間がかかるとタイムアウトし、最初からやり直しになることがあります。書類と情報をそろえてから始めることをおすすめします。
最後に証明書のPDFを様式ごとに添付し、同意事項を確認のうえ、カードを読み取って電子署名すれば申請完了です。
その他の注意点
- 送信した申請は、マイナポータル上から取り消すことができません。誤って申請した場合は、中小企業庁へ電話で連絡します。
- 海外からは手続きできません(資格情報の閲覧とデジタル資格者証のダウンロードは可能です)。
- 入力できる文字は、JIS第一・第二水準と補助漢字の範囲です。
申請後の流れ
申請状況は、マイナポータルの「やること」画面で確認できます。「処理中」と表示されていれば受付済みです。審査は申請月の翌月下旬までに行われ、デジタル資格者証の発行・更新は申請月の翌々月上旬までが目安です。
書類に不備がある場合は「申請内容不備通知」が届き、詳細は担当者から個別にメールで連絡があります。なお、これまでのカード型の登録証は、記載された有効期限まで有効で、返却は不要です。
公式情報・お問い合わせ先
お問い合わせ先:中小企業庁 経営支援部 経営支援課(中小企業診断士班)
電 話:03-3501-5801(診断士お問合せ専用ダイヤル)
受付時間:平日 9:30〜12:00 / 13:00〜17:00
実務ポイントの取得について
当法人では、更新要件の実務ポイントをオンライン・全国対応で取得できる実務従事プログラムを実施しています。詳しくはこちらをご確認ください。




